星野有史 “研究所通信/ハーネスランド”

マリアのイラスト
 「ハーネス・ウィ研究所通信」のタイトル『ハーネスランド』は、天使犬ウィが暮らしていた故郷、理想の福祉社会をイメージした「共星=ハーネスランド」から名前をつけました。この星に住む天使達が協力し合って生活しているモデルを理想に、私達も心のハーネスを輝かせ、ともに助け合い成長できるコミュニティを願って発信するものです。
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STOP 医療崩壊
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    STOP 医療崩壊


    中学2年生の時だった。
    野球部の練習中にボールが見えにくくなって捕球するのが難しくなった。
    数日後、目に痛みがあり、教室では机に伏せてこらえる。
    それが始まりだった。
    地域の眼科医から大学病院を紹介、詳しい検査を受ける。
    難病だった。
    原因不明で決まった治療法もない。
    それから3年後に全く光を失う結果に。

    これは運命だろうか。
    何がいけなかったのか。
    原因も分からないのだから対処の仕様もない。
    仕方がないのだ。
    あきらめるしかないのだ。
    認めるしかないのだ。
    そんな気持ちに意外と早くなれた。
    どうして?
    自分でもよく分からないのだが、おそらく……。

    私は日本の医療技術、医療制度に信頼を置いている。
    課題はあるにしても
    最先端の医学、行き届いた健康保険の仕組みには安心できる。
    原因が分からない難病であっても、
    できる対症療法、できる医療費補助を受けて……、
    それでも視力が回復しなかったのだから仕方がないではないか。
    現在では研究も進み、薬が開発されて改善の見込みも高まった、と。
    でも、当時は当時なりの医療で、十分に。
    だから割り切れる。
    納得できる。
    リセットできる。
    しかし今、この医療が崩壊の危機に!

    新型コロナウイルスが猛威を振るっている。
    適切に対処しないとウイルスが猛スピードで各地に広まっていくだろう。
    高齢者や持病がある人に限らず、多くの犠牲者が。
    医療のキャパシティーを超える重症患者が発生、
    病院は機能不全に。
    そうすると他の疾病患者に対する治療が滞る。
    想像するだけで恐ろしい。
    十分な医療も受けられずに命を終えなければならなくなることが。

    最高の治療を受けて、
    それでも助からなかったのであればやむを得ないとも。
    けれど、医療崩壊により診てもらえず、この世を去る。
    納得できる死などないだろうが、
    尊厳ある死、医療を受ける権利は誰にでもあるはず。
    しかし、それは確立されたものではなく、
    一人ひとりが協力して助け合わなければ実らない保障でもあるのだ。
    手洗い、うがいは基本だが、
    国や地方自治体が要請している不要不急の外出、
    集団での関わりなどを自粛、
    感染を広めないようにするしかないだろう。

    春はイベントの多い季節。
    私が講義する短大の卒業式も入学式も中止になった。
    個人的な計画も。
    その一つが『AI崩壊』の映画に行く予定。

    この映画をシアターで、と思ったのにはこんな理由が。
    医療AIの崩壊。
    時代は2030年。
    高齢化と格差社会が進展、
    人口の半数近くが高齢者と生活困窮者に。
    そんな社会にあって医療AIが国民の個人情報を管理。
    だが、突如としてAIが暴走。
    人間の生きる価値を選別し、殺戮を始める。
    AIを暴走させたテロリストとは?

    この映画は入江悠監督による完全オリジナル脚本なのだが、
    公開前に映画をノベライズした小説本が!
    講談社文庫より浜口倫太郎(著)で出版、それを先に。
    AIが年齢や収入、病気、犯罪歴などを管理して成り立つ近未来。
    そこに命の選別、生きる価値というテーマがかぶさるのだから、
    映画館でそのはらはら・ドキドキ感を味わってみたくなるではないか。
    スマホで音声解説を聞きながらの鑑賞も可能だったのに。

    新型コロナウイルスはスポーツも音楽ライブも学校もお花見も、
    働き方や生活の在り方までも変えた。
    まるで人類を嘲笑しているかのように。
    治療薬やワクチン開発、経済保障に期待したいが、
    等しく重要なのは
    人々の思いやり、命の尊さを大切に手を差し伸べ合うことなのでは。
    コンピュータ技術が進歩していく中で
    今の医療もやがてAIにより管理、健康が保たれるような時代になるか?
    けれど、そこに未知なるコンピュータウイルスが侵入し、
    不正プログラムによって命が脅かされる危険性も。
    自然発生的なウイルスに加え、人為的なウイルスも。
    ウイルスと呼ばれる多様な敵が一緒くたにはびこる地球に、
    私たちの暮らしは守られるのだろうか。

    何だか鼻の奥がむずむずしてきた。
    くしゃみが出そうだ。
    おそらく、これは花粉症だろう?


    <星野有史>



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