星野有史 “研究所通信/ハーネスランド”

マリアのイラスト
 「ハーネス・ウィ研究所通信」のタイトル『ハーネスランド』は、天使犬ウィが暮らしていた故郷、理想の福祉社会をイメージした「共星=ハーネスランド」から名前をつけました。この星に住む天使達が協力し合って生活しているモデルを理想に、私達も心のハーネスを輝かせ、ともに助け合い成長できるコミュニティを願って発信するものです。
<< 盲導犬は字が読めるんですか? | main | 梅雨のせいではないけれど! >>
話しかけてもいいんだよ
0
    話しかけてもいいんだよ


    急に飛び出して来たのは男の子たち四人くらい?
    「あああああ、もー……」と声をあげて、
    バタバタバタと追いかけっこするようにして、
    シータスにぶつかって来た!
    後退りした動作に私も一歩足を引く。

    「ごめんなさい」
    そう謝ったのはぶつかって来た子だろう。
    まだ小学校低学年といったくらいの幼い声だった。

    公園を突っ切るように伸びる歩道。
    自動車も入ってこないので安全と言えば安全なのだが……、
    杖を突いたお年寄りも、
    ベビーカーを止めて話し込むママたちも。
    だから、やっぱり危険なのだ。

    こちらはスローペースで新緑のそよ風を楽しんでいただけ、
    ぶつかられたところで怪我はない。
    少しビックリしたって程度だ。
    それでもすぐに謝ってくれたので嬉しくなった♪
    「いえいえ、気を付けて遊んでね」と口に出かかった、その時!

    「ダメなんだぜ。盲導犬を連れた人に話しかけちゃ」
    「…………」

    今度は明らかに年上の子だ。
    しっかりした声だったから小学校も高学年だろう。
    その指摘に、ぶつかった子は思わず
    「ごめんなさい」と。
    これは、いけないのに話しかけてしまって……、という意味だ。
    「だからダメだって言ったろう」
    年上の彼はその言葉を聞くとまたもたしなめて、すぐに去った。
    そばにいた子たちも慌てて追いかけて行く。

    「いいんだよ。人には話しかけても」
    彼らに追いつくように言葉を投げたが、届いたかどうかは分からなかった。

    確かに盲導犬に触ったり声をかけたりしてはいけない。
    仕事に集中できなくなるからだ。
    それは正しい。
    けれど、人にまで話しかけるのを禁止しているわけではないよ。
    危険な時はもちろん、何気ない会話も大歓迎(#^.^#)

    以前に比べたら盲導犬に対する理解は深まった。
    でも?
    それはこの男の子たちだけではなくてね。
    「話しかけちゃいけないって聞いてたんで、あなたが迷っていてもただ見てたの」
    「…………?」
    「やっぱり教えてあげて良かったわ」
    手引きされながら、こんなふうに言われて驚くこともちょいちょい。
    そうでないことを伝えて……、
    「あら、そうだったの」と改めてくれた人も。

    『人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ』
    令和の時代に込められた思い。
    情報社会は益々発展していくだろう。
    ネットが絡まり、混乱する世界に問われる真実。
    話しかけられずに孤立する自分の姿を想像して……、
    淋しくなった令和のスタートでした('_')


    <星野有史>



    | 星野有史 | - | 15:30 | - | - | - | - |
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
    << October 2019 >>

    bolg index このページの先頭へ